「ゴミ屋敷」とは、散らかっているレベルを超え、家の中だけでなく周りにまでゴミを溜め込んだ状態の家のことを指します。
自分や身内で掃除を行うのはかなりの手間がかかりますから、ゴミ屋敷ごと相続放棄し、掃除や整理を免れたいと思う人もいるでしょう。
今回は相続放棄をすればゴミ屋敷を掃除しなくても良いのか、相続放棄する場合のメリット・デメリットには何があるのかについて説明します。
そもそも「相続放棄」とは?
ではまず、そもそも「相続放棄」とは何なのかから見ていきます。
民法939条では、
「「民法第939条」相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」
とされています。
「初めから相続人とならなかったものとみなす」ということは、財産ごとに放棄するか相続するかを決めるのではなく、全ての財産の相続を放棄するということを指しているのです。
つまり、ゴミ屋敷のために相続放棄すると、現金などの価値のある遺産も相続できなくなります。
「ゴミ屋敷を掃除しなくて良いなら、それでもいい」と思うかもしれませんが、ゴミ屋敷の相続を放棄することと、掃除することは別問題なので注意が必要です。詳しくは後ほど説明します。
ゴミ屋敷を相続放棄する場合のメリット
次に、ゴミ屋敷を相続放棄する場合のメリットについて見ていきます。
先程説明したとおり、ゴミ屋敷の掃除や管理と相続はまた違った話になるため実は直接的なメリットはほとんどありません。
たとえば、亡くなった人の借金を払う義務がなくなる、相続税を払わなくて済むなどが相続放棄をする場合のメリットですが、ゴミ屋敷とは関係ないのが実情です。
ゴミ屋敷を相続放棄する場合のデメリット
では反対に、ゴミ屋敷を相続放棄する場合のデメリットには何があるのでしょうか。
一つは、ゴミ屋敷以外の遺産を相続できないことです。ゴミ屋敷自体はキレイにしたとしても、築年数が古ければそこまで高い値段では売れないですから、放棄しても問題ないかもしれません。
しかし、遺産として現金が数百万円以上あったり、高価な貴金属があったとしても、ゴミ屋敷と一緒に手放すことになります。
二つ目は、ゴミ屋敷を相続放棄しても「管理責任」は相続人に残るので、掃除はしなくてはいけないのです。ただし、管理責任を第三者へ譲れば掃除をする責任はなくなりますが、簡単にはできないでしょう。
このように、ゴミ屋敷を相続放棄しても、メリットはほとんどなく結局は自分で掃除をしなければなりません。
ゴミ屋敷の掃除をせずに済む方法は?
ゴミ屋敷の掃除はプロに依頼すると費用が発生しますし、自分達で掃除するにはかなりの手間がかかるでしょう。
できれば掃除をせずに済ませたいと思うでしょうが、実は方法は2つあります。一つは、相続財産管理人を選任して相続放棄する方法です。この方法なら、最終的にゴミ屋敷は国の所有物になり、掃除・管理をする必要はなくなります。ただし、選任するには数十万円以上の費用が発生するのが一般的です。
二つ目は、ワケあり物件専門の不動産業者に買取してもらう方法です。この場合、ゴミ屋敷の掃除やリフォームは業者が請け負ってくれます。掃除の手間が省けるだけでなく、値段がつく物件ならお金を受け取れるのがメリットです。
専門業者に依頼すればゴミ屋敷の掃除負担はゼロ
ただし、普通の不動産業者ではゴミ屋敷をそのまま買い取ってくれる可能性は低いので、専門業者に依頼する必要があります。
株式会社あきんどの事故物件買取センターであれば、相談・見積もりは無料です。ゴミ屋敷を相続放棄しようか迷っていたなら、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。