立ち退き物件を売却する手順とは?知っておくべき注意点

建て替える予定がある物件を売却する際、入居者がいる場合には立ち退きを交渉しなければなりません。しかし、立ち退き交渉がスムーズにできないと、建て替えるための予定が立たず、売却までの期間が長引く可能性があります。
立ち退き物件の交渉を進め、スピーディーに売却できるよう対処することが大切です。そこで、立ち退き物件を売却するまでの手順と、売却時の注意点を詳しく紹介します。

立ち退き物件を売却するまでの主な手順

立ち退き物件に入居者がいる場合、立ち退き交渉をしなければなりません。そのため、売却がスムーズに進まないことがあります。スムーズに売却をするためには、立ち退き物件を売却するまでの手順を確認しておく必要があるでしょう。
そこで、立ち退き物件を売却するまでの主な手順を紹介します。

入居者に立ち退きの理由を説明する

立ち退き物件を売却する場合、入居している人に立ち退きをしてもらう理由を説明しなければなりません。
例えば、「築年数が経過しており経年劣化しているため建物解体する」など、立ち退きの理由を書面で知らせましょう。
また、トラブルを予防するためには、書面で送るだけではなく入居者に直接説明し、交渉を進めることが大切です。

立ち退き料を支払う

立ち退きをお願いする入居者の引っ越しに伴う初期費用や、引っ越し業者の準備などの費用を負担します。立ち退き料の内訳は、新しい住居の敷金や礼金、前払いの家賃、引っ越しにかかる費用などです。
スムーズに立ち退きをしてもらうために、入居者に対して立ち退きに必要な合計の費用を支払って、金銭的な負担がかからないようにしましょう。
建物の部屋数が多い場合は立ち退き料も高額になるため、合計いくらの立ち退き料を準備しなければならないのかをあらかじめ確認しておくことが大切です。

退去までの手続きを行う

入居者が退去に応じた場合、手続きをしなければなりません。入居者の経済的な負担を軽減するためにも、1ヶ月分の家賃や、最後の月の家賃は半額もしくは1ヶ月分や原状回復費用は免除したり、敷金を返したりといったことも検討しましょう。
立ち退き交渉時にトラブルが起こり退去の手続きができないと、売却もスムーズに行えないため、立ち退き交渉ができない場合には不動産会社や管理会社のアドバイスやサポートを受けましょう。

物件を売却する

居抜き物件の売却が決まった場合、建物を解体し更地にするのか、建物は残した状態で売却するのかを決めます。建物を解体し、更地にしてから売却する場合には解体費用がかかりますが、次に土地を購入する人の手間や費用の負担が軽減されるため高い価格で売却できる可能性があります。

立ち退き物件を売却する際の注意点

立ち退き物件を売却する場合、強制的に入居者を退去させることはできないため、注意が必要です。入居者は借地借家法という法律によって物件に住む権利が保護されており、賃貸借契約をしたオーナーが正当な理由なく更新を拒絶できません。
加えて、正当な理由がある場合も必ず立ち退きに同意してくれるとは限りません。入居者が退去に応じるかどうかは、相手次第です。トラブルが起こりそうな場合には、専門家への依頼も検討しましょう。
また、受け取った家賃は新しいオーナーに渡す必要があります。
所有権移転登記日以降は、「賃貸人」が新しいオーナーに移るため、入居者から受け取った家賃は所有権移転登記日以降の分を日割りで計算して新しいオーナーに渡さなければなりません。

売却手順を確認して立ち退き物件をスムーズに手放そう

立ち退き物件を売却する場合、通常の物件とは異なり、入居者に対して立ち退きを交渉しなければならず時間も手間もかかることが一般的です。可能な限り早く売却を進めるためにも、立ち退き物件を売却する流れや注意点を確認しておくことが大切です。
また、立ち退き交渉に応じてもらうためにも、入居者と良い関係を築いておくと良いでしょう。

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