火災物件をすぐに解体してはいけない!その理由と処理の手順をご紹介

自分が所有している物件が火災にあった場合、残っている建物を解体しなければならないことがあります。ただし、鎮火した後すぐに解体するとトラブルが起こる可能性があるため注意が必要です。
そこで、この記事では火災物件をすぐに解体してはいけない理由や、火災物件を解体する時の注意点を紹介します。

火災物件をすぐに解体してはいけない理由

火災があった物件は解体をする必要がありますが、正しい手順を踏んでから解体工事を依頼しなければ、火災保険が適用されないというトラブルが起こることがあります。そのため、火災が起きたからといってすぐに解体するのではなく、正しい手順を確認してから行うようにしましょう。
火災が起こった後~解体までに必要とされる手順は以下の通りです。
1. 罹災証明書を発行する
2. 火災保険会社へ連絡
3. 火災現場の確認
4. ライフラインを停止
5. 近所に挨拶をする
6. 解体工事を依頼する
火災が起こると焦ってしまい、なかなか冷静な判断ができないものです。そのため、このような一連の手順を事前に頭に入れておく、もしくは、手順があるという事実を覚えておくことが重要となります。そうすることで、火災が起こった際にパニックになることをある程度防ぐことができます。
それでは、解体までに必要となる手順について、1つずつ詳しく確認しておきましょう。

罹災証明書を発行してもらう

火災が起こったら、最初に罹災証明書を発行してもらう必要があります。火が消え、再度火災が起こる可能性がないと判断できたらすぐに発行してもらいましょう。
罹災証明書とは、火災が起こったことを証明するものです。どの程度の火災だったのかなどの被害の状況を証明するためのもので、自治体から発行されます。申請の手続きは消防署で行うことが可能です。
罹災証明書は、廃棄物処理の助成金を申請する際や火災保険を受け取る際、減税の申請をする際にも必要です。そのため、火災があった場合にはまず取得しておく必要があります。ぜひ覚えておきましょう。

保険会社に火災の報告をする

火災保険に加入している場合は、保険会社に火事が起こったことを伝えましょう。
保険会社は、火災が起こった物件を実際に確認したうえで、被害状況や火災の被害の度合いをもとに保険金を計算します。保険会社が被害状況を確認する前に物件を解体すると、保険金を受け取れないことがありますので注意が必要です。また、多くの場合、火災保険の受け取りにおいても先述の罹災証明書が必要となります。

近所に挨拶をする

火災保険には類焼損害補償があり、火元の賠償責任を問わず、火災により被害を受けた住民に損害補償を行うことができます。
類焼損害補償があれば、自分が所有している物件が火元だった場合でも責任を負わなくて済むと考える方がいますが、責任を負わなくて済むからといって、周辺住民が受けた迷惑が無くなるわけではありません。
そのため、自分の所有する建物が火元だった場合には、周辺住民に直接挨拶をしてまわりましょう。その際、お金を渡す必要はありませんが、菓子折りを持って行き、一言お詫びをするのがマナーです。このようにすることで、その後に起こる無用なトラブルを避けることにも繋がります。必ず実施するようにしましょう。

火災物件を解体する際の注意点

火災物件の解体を業者に依頼する前に確認しておきたい、2つのポイントを紹介します。解体費用を抑えたり、業者とのトラブルを防ぐためにも、依頼前に確認しておきましょう。

ゴミをあらかじめ処分しておく

物件を解体する場合、ゴミと廃棄物を分別する必要があり、解体工事に時間がかかります。
火災で燃えたゴミや燃えていないゴミは、ゴミの分別や処分を解体業者に依頼することも可能ですが追加費用がかかるため、自治体の補助制度を活用して処分しておくのが良いでしょう。

火災物件の解体実績が豊富な業者に解体工事を依頼する

火災物件の解体は、ゴミや廃棄物を分別しながら工事をする必要があり、半焼をしていると倒壊のリスクがあるため、一般的な物件の解体作業と比較して危険が伴います。
火災物件の解体実績が豊富な業者に依頼すれば、安全に工事できることはもちろん、工事の日数や作業の手間がかからず、追加費用を抑えられることがあります。反対に、火災物件の解体に不慣れな業者に依頼すると、解体にかかる日数が増えて費用も高くなることがあるため注意しましょう。

火災物件に関するトラブルを防ごう

火災が起こるとパニックになってしまい、鎮火した後も正しい手順を踏まずに解体工事をしてしまうことがあります。しかし、手順を守って手続きや解体作業を進めなければ、適切な補償が受けられないなど、大きなデメリットに繋がってしまいます。
火災物件は業者に解体を依頼するのではなく、そのままの状態で買取ってもらうという方法もあります。解体時や売却時、売却後のトラブルを防ぐためにも、火災物件を処理する際は事故物件などを買い取ってくれる専門の不動産業者へ相談してみましょう。

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