特殊清掃とは?遺品整理との違いや手順・費用を解説

たとえば一人暮らしの父親が亡くなった際、住んでいた部屋をそのままにするわけにはいかないので、掃除や祖父の残したものを整理しないといけません。

掃除や整理を業者に依頼する際、場合によっては「特殊清掃」が必要になるケースもあります。一体、特殊清掃とはどんな掃除で、どの手順で行われるのでしょうか?

特殊清掃とは?遺品整理とは違う?

「特殊清掃」という言葉を聞いて、遺品整理と何が違うのか疑問に思う方もいるでしょう。まずは特殊清掃の概要と、遺品整理の違いを解説します。

通常の清掃ではキレイにできない場合「特殊清掃」となる

特殊清掃は、通常の清掃ではキレイにできない場合の清掃のことを指します。

たとえば、一般的な洗剤や掃除道具を使っても落とせないシミや汚れがある場合は特殊清掃が必要です。

特殊清掃は部屋内で人が亡くなり、長い時間放置された後に発見された場合などに必要となります。死体から出た体液等が床や畳に染み込むと、特殊な清掃道具を使わないと清掃できません。そのため特殊清掃を行います。

遺品整理は故人の生活用品などを片付ける作業のこと

遺品整理は故人が残した生活用品や雑貨、つまり遺品を整理することを指します。

遺品整理では通常清掃は行いません。基本的には故人の部屋にある家具や家電、書類などを破棄するものと残すものに分けて整理し、部屋から持ち出します。

特殊清掃の一般的な手順とは

特殊清掃は専門の業者が以下の手順で行うのが一般的です。

1.業者に問い合わせて現地で見積もり

まずは専門業者に問い合わせて見積もりを出してもらいます。特殊清掃の場合、汚れの程度が口頭や写真では伝わりにくいため、特殊清掃をしてもらう部屋(現地)で見積もりを出してもらうケースが多いでしょう。

2.感染症防止のために消毒剤を噴射

見積もりを確認し正式に依頼をした後、作業員が予約した日付に清掃を行います。そのまま掃除を始めると、腐敗した体液やゴミなどから感染症にかかる危険性があるので、まずは部屋の中に消毒剤を噴射してから入室となります。

3.遺品整理をしてから清掃・殺菌

室内の消毒が済んだら、部屋に残された遺品を整理します。遺品整理も業者に依頼していれば作業員が行ってくれますが、依頼していない場合は自分で行うのが基本です。

遺品整理が終了したら、ほとんどの物が部屋から出された状態になります。そこから特殊な清掃道具を使い、特殊清掃・殺菌が行われます。

4.必要に応じて汚染箇所を解体・リフォーム

特殊清掃を行っても落ちない汚れは、汚染箇所を解体し、リフォームを行って現状復帰します。

5.消臭・脱臭処理

清掃と解体、リフォームが終了したら、消臭・脱臭処理を行います。体液や生ごみなどが床・たたみ等に染み込んでいた場合、消臭・脱臭処理をしないと臭いは消えません。

6.清掃完了・支払い

清掃が完了したら、特殊清掃業者に支払いをして終了です。

特殊清掃を業者に依頼する場合の相場費用

特殊清掃にかかる相場費用は、

  • 部屋の広さ
  • 汚れ、匂いの程度
  • 遺品整理ありなし

によって異なります。

現地で見積もってもらうまでわからないのが現状ではありますが、遺品整理なしで70,000円以上、遺品整理ありだと10万円以上はかかるケースが多いようです。

依頼する業者によっても料金やどの範囲まで作業してくれるのかが異なるため、作業範囲を確認してから見積もりを取り、納得した上で契約しましょう。

まとめ

特殊清掃は普通の掃除では落とせない汚れがある際に必要で、主に事故物件やゴミ屋敷で行われることが多いのが特徴です。遺品整理とは異なるので、業者に依頼するなら別途申し込みが必要となります。特殊清掃が必要になった際は、自分で掃除するのは難しいため、まずは業者に相談をして見積もりを取りましょう。

また、事故物件を売却する際には、事故物件などを専門とした不動産買取業者に買い取ってもらうのもおすすめです。
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