訳あり物件の清掃を依頼したい!特殊清掃業者を選ぶときのポイント5つ

訳あり物件の清掃を依頼したい!特殊清掃業者を選ぶときのポイント5つ

マンション、アパートなど住宅の内部で人が亡くなった際、室内の汚れの状況によっては特殊清掃を行わなければなりません。特殊清掃は通常のクリーニングや掃除とは異なり、特殊な機材や技術を使い、人が亡くなったことで生じる汚れを除去し、物件をきれいな状態にすることです。特殊清掃をすることで、訳あり物件を売却しやすくなるというメリットが得られます。
そこで今回の記事では、訳あり物件の特殊清掃の内容や、特殊清掃業者を選ぶ際のポイントをご紹介します。

訳あり物件の特殊清掃の内容

訳あり物件の特殊清掃では、遺体から出た血液や体液を薬剤で除去し洗い流します。血液や体液は床や壁などに汚れがこびりつき、染み込むため、通常の汚れと違って落ちにくいのが特徴です。そのため、きれいに洗浄するためには最大2時間ほどの時間がかかることが一般的です。
また、訳あり物件は血液や体液が壁に飛び散っていることもあるため、それを媒介とした感染症にかかるリスクがあります。そのため、特殊清掃の作業に入る前に、高濃度の次亜塩素酸水を使い殺菌を行います。
次に、遺体から出た臭いを除去するためにオゾン燻蒸をします。その際、遺品は残しておくものと処分するものに分け、形見などの貴重な品は依頼主もしくは遺族に渡し、処分するものはゴミとして自治体の定める基準に従い分別したうえで、物件から持ち出して完了となります。

特殊清掃業者を選ぶ際のポイント5つ

訳あり物件の特殊清掃を行う業者は複数存在しますが、良い業者を選ぶためには、しっかりポイントを踏まえて見極める必要があります。
ここでは、優良な特殊清掃業者を見極めるための5つのチェックポイントを紹介します。

①対応の良さ

通常、ビジネスにおいて丁寧な応対をするのは、その客が顧客として継続的な取引相手になる可能性があるからです。しかし、特殊清掃の場合には、基本的にリピーターが存在しません。そのため、「どうせ今後の付き合いは発生しないから」といった理由から、対応がぞんざいであったり、身だしなみが整っていなかったりする業者が散見されます。このような業者は、客の利益を考えない悪質な業者である可能性や、清掃作業を丁寧に行わない雑な業者である可能性があります。
そのような業者を間違って選んでしまわないよう、業者に清掃を依頼する場合には、担当者の態度をしっかりチェックするようにしましょう。対応が良いと感じられる業者の場合、しっかりした教育環境が整っている可能性が高く、結果として優良業者であることが多いと言えます。

②見積書が丁寧に作られている

悪質な清掃業者は、合計金額のみを記載するなど、見積書の作成が雑であったり不適切であったりすることが多々あります。そのような見積書にもとづいて作業を依頼すると、作業の途中で追加請求をされるなどのトラブルに繋がりかねません。
見積書を確認する場合は、合計金額だけでなく、なぜその金額になるのか、しっかり内訳もチェックするようにしましょう。内訳の内容に疑問点がある場合には、積極的に業者に質問をすることも大切です。その際の対応によっても、業者の質を見極めることができます。

③即日対応してくれる

警察や葬儀会社のスタッフは遺体を運び出してはくれますが、物件の清掃までは行いません。病死や孤独死などで遺体が発見されるまでに時間がかかった場合、部屋の中には臭いが発生しており、場合によっては害虫も湧いていることがあります。特に夏場は、気温が高く遺体が腐敗するのも早いことから、できるだけ速やかに特殊清掃をする必要があります。それにより、臭いなどの被害が減じられるだけでなく、物件の損傷も最小限に抑えることができます。
そのため、特殊清掃業者を選ぶときは、できるだけ早く対応してくれる業者を選ぶようにしましょう。その際、即日対応が可能だとベストです。問い合わせの際に、いつ作業が可能か、具体的な日程まで含めてしっかり話し合うことが大切です。

④特殊清掃の実績が豊富

特殊清掃の実績が豊富な業者は、清掃作業に慣れておりサービスも高品質です。そのため、このような業者に依頼することができれば、迅速かつ丁寧なサービスを受けることができ、事故物件のダメージも最小限に抑えることができるでしょう。
特殊清掃業者の実績はホームページに掲載されているため、事前にしっかり確認しておきましょう。また、実績の多い業者であれば、それだけ依頼した人の数も多く、その結果口コミもある程度数が存在するはずです。業者の対応などだけでは見極められない部分も、他の人の口コミを参考にすればわかることが多々あります。可能な限り口コミにも目を通し、失敗のない業者選びに繋げましょう。

⑤許可を取っている

特殊清掃作業を行うためには、一般廃棄物収集運搬業許可や、産業廃棄物収集運搬業許可などを取得している必要があります。一般廃棄物収集運搬業許可は家庭から出るゴミを収集や処分を行うための許可で、本来はゴミ収集に必要となる許可です。そのため、ゴミ収集以外の目的で新規に獲得することは大変困難であり、この許可を得ている清掃業者はほとんど存在しません。
そのため、特殊清掃業者の場合には、産業廃棄物収集運搬業許可を取得しているかどうかが重要です。これを取得している業者は問題のない優良業者であることがほとんどですが、許可をもっていない業者の場合、不法投棄などをしてゴミ処理をする悪質業者の可能性が高まります。
特殊清掃業者に事故物件の清掃を依頼する場合には、しっかり許可を取得したうえで業務にあたっているのか、しっかり確認を取ってから依頼するようにしましょう。

訳あり物件の清掃業者は慎重に選ぼう

訳あり物件の特殊清掃を依頼しなければならないときは、急な出来事であるために、業者選びに時間をかけられないことが多いです。しかし、悪質な業者に依頼してしまうと、金額面などでトラブルになったり、十分な清掃効果を得られなかったりする可能性があります。
そのため、時間がかけられない場合でも、しっかり見極めたうえで優良業者に清掃を依頼することが大切です。急を要して時間をかけられない場合であっても、今回紹介したポイントだけはしっかり確認してから依頼するようにしましょう。
また、訳あり物件を売却する際には、訳あり物件などを専門とした不動産買取業者に買い取ってもらうのもおすすめです。「優良な特殊清掃業者を見極める自信がない」「時間がかけられない」という場合でも、専門の不動産業者であれば訳あり物件をそのままの状態で買い取ってもらうことができます。その場合、室内の清掃は買取った不動産業者が手配するため、売主が清掃依頼をする必要はありません。
訳あり売却をする際には、訳あり物件の取り扱い実績がある買取業者に依頼して、スムーズに手放しましょう。
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